by ばかぼん父
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2005年 01月 27日
北朝鮮側「鑑定結果はねつ造」 政府は再回答要求へ (朝日新聞)などで、報道されているように、北朝鮮は、拉致された横田めぐみさんのものとされる遺骨から採取されたDNAの鑑定結果を真っ向から否定した。
これはある意味当たり前のことだ。なぜなら、田口八重子さんも横田めぐみさんも生きているなら日本へ帰さなければいけないが、もしそうなると昭和62年11月の「大韓航空機爆破事件」は、北朝鮮国家として行ったことが明らかにされ、テロ国家であると自ら認めることになるからだ。日本政府は、北朝鮮に対して「誠意ある対応」を求めているが、いくら科学的な証拠を積み上げても、現在の北朝鮮ではそれを認めることはありえないだろう。かの国では、自政権の都合こそが「正義」だからだ。 北朝鮮にしてみれば、拉致被害者の家族会にあきらめさせる手段として、DNA鑑定を不可能にする処理(1200℃)を行った形式上の遺骨を出して、この問題を終わりにしたかったのだろう。 ところが、DNA鑑定チームの実力は、北朝鮮政府の、そしておそらく日本政府の予想をも上回り、予定外の正しい結果を出してしまった。下衆の勘ぐりかもしれないが、日本政府も「家族会」に泣き寝入りさせ、この問題をさっさと手打ちにして、政治的に北朝鮮をコントロールしたかったのが本音ではないか? 私は、帝京大学のDNA鑑定チームはよくやったと思うし、鑑定結果も間違いないだろう。北朝鮮もその結果が正しいことは充分認識していると思う。 そう考える根拠は、わざわざ2人分の遺骨を混合しておき、めぐみさんと別人であるということ以上の情報を見つけられるかどうかで、鑑定技術を検証するつもりだったと考えられるからだ。万一見つけられたら、今回の「備忘録」にあるように、「ありえな〜い!!」という保険のつもりでもあっただろう。(なんの反証にもなっていないが) しかし、結果として、北朝鮮と外交を対話路線ですすめることが難しくなった。 両政府間における、拉致問題の「落としどころ」を放棄したのだから、 北朝鮮に日本へ向けてミサイルを撃たせて戦争状態となるか、または北朝鮮の現政権がなんらかの理由で倒れるまで経済制裁等の強硬路線でいくしかない。緊張状態になれば、アメリカにしっぽを振り続けてきた小泉政権の真価が問われるところだ。 では、正しい科学的事実をわざと発表せず、拉致被害者とその家族に泣き寝入りしてもらった方が、日本にとって良かったのだろうか? 目先の政治的な都合としては、そうかもしれない。しかし、それを「世の中、そういうものだから」と受け入れるのは、大いに抵抗がある。 もちろん、相手が「正しくないから」といって、武力で相手を屈服させるという事にも、大いに抵抗がある。これは狂信者と同じ思考だ。 私は真実を知り、それを知らしめることは、いつでも正しいことだと考える。 「真実を知っている」人間の割合が多くなればなるほど、そしてその情報を本当に正しいかどうかを考えられる人間の割合が多くなればなるほど、政治的や社会的な判断を正しい方向へ導ける確率をあげると思っている。そうでないとすれば、その社会自体が歪んでいるので、長い目でみれば破綻すると思う。 だからこそ、次世代を「正しい事を正しいと自分で判断できるように教え育てること」が大事だと思うわけだ。 罪のない人や、正直ものがバカをみる世の中ではなく、誠実に生きているものにこそ、恩恵があるような社会にしたいものだ。
by bakabon_chichi
| 2005-01-27 18:49
| ちょっと社会派
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